次世代産業ナビゲーターズフォーラム 21CNAVIGATORS’COMMITTEE Collaboration21 時空間メディア情報流通都市研究会 日本スピーカーズクラブ 次世代を語ろう会 兵庫再生支援の会ー


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考えよう次世代の産業讀賣新聞1998年8/18日(火)
9月にフォーラム
日本の次世代を担う産業のあり方を模索し、官民に積極的な政策提言 を行おうと、企業の代表らを集めた「次世代産業ナビゲーターズフォー ラム」が、兵庫県参与で企業コンサルタントなど幅広い分野で活躍中の宮内淑子さんの呼びかけで、9月8日午後4時半から、都内で聞かれる。

フォーラムの顧問や発起人には、 建築家の黒川紀章氏、ノンフィクシ ョン作家の山根一真氏や作曲家の三 枝成彰氏、島田晴雄・慶応大学教授 らが名を連ねている。一回目の会合 には、製造業や商社、建設など約三 十社の代表が登録会員として参加する予定で、日本の景気停滞や環境問題、食糧危機など様々な視点から中長期的な産業活性化の道筋を探る。

二回目以降は毎回講師を招いて議 論を行うほか、企業間の情報交流や研究施設などの視察も計画してい る。


経済・芸術・宇宙…多角的視点で
次世代の産業創造へ
各界から第一人者フォーラム旗揚げ産経新聞1998年9/9(水)
経済だけでなく、生命科学、芸術まであらゆるジャンルの情報と知恵を結び け、新たな発想で21世紀の産業創造を模索する「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」が8日、東京都内のホテルで発起会を開き旗揚げした。

これは兵庫県の主任広報専門委員に民間から起用され話題になった元民放アナウンサーの宮内淑子コミュニケーション・ビューロー代表が組織したもので、樋 口広太郎・アサヒビール会長らが顧問を務める。ユニークなのは委員の顔ぶれで、学者のほかに作曲家の三枝成彰氏や狂言師の野村万之丞氏ら経済に関係のな い分野の第一人者らが名を 連ねていること。

フォーラムは月に一回、委員が交代で講師となって情報交換を進めていく予定で、宮内氏は「旧来型の発 想では日本産業の閉塞(へいそく)状況を脱することはできない。宇宙や環境、芸術といった多角的視点か ら構想しビジネスを作り出すときだ」と意欲をみせる。

この日の第一回セミナーでは原島博東大教授が講演し「20世紀は大量生産で 資源を食いつぶすバブルだった 。21世紀は情報革命がカギになり、心の豊かさや文化としての次世代産業 になる」と強調した。


新事業展開サポート毎日新聞 1998年9/9日 (水)
時代の先端を行く専門家のアドバイ スを得ながら企業の新事業の展開をサ ポートする「次世代産業ナビゲーターズ フォーラム」が8日、発足した。毎月1回、 講演を聞いた後、講師以外に 各界の専門家が「ナビゲーター」(委 員)として加わり、じっくり討論する のが最大の特徴。1年後をめどに、実 際の事業化に結びつけたい意向だ。

委員には島田晴雄・慶応大教授 西 垣通・東大教授 照明デザイナーの石 井幹子さん 医師で登山家の今井通子 さん 建栗家の隈研吾氏 作曲家の三枝成彰氏 狂言師の野村万之丞氏 ノ ンフィクション作家の山根一真氏らが 名を連ねている。 


21世紀の産業創造へ新組織NTTなど35企業・団体が旗揚げ時事通信社 1998年9/9日(水)
二十一世紀の次世代産業創造を目指して、帽広い分 野の企業の代表と有識者が情報交換する新組織「次世 代産業ナビゲーターズフォーラム」 がこのほど発足し、 都内で初会合を開いた.今後、毎月一回のペースで定 期会合を開き、「脳」 「環境」 「マルチメディア」 と いったテーマについて議論し、新たなビジネス機会の 芽を探る意向だ。

同フォーラムの会員は、NTT、キャノン、資生堂、 清水建設、NEC、三菱商事などの大手企業やベンチ ャー企業、東京都、兵庫県など三十五企業・団体。呼 び掛け人は、企業コンサルタントの宮内淑子さん。

 初会合には、顧問の樋口広太郎アサヒビール会長 (経団連副会長)、藤田史郎NTTデータ会長のほか、 個人委員として登山家の今井通子さん、作家の桐島洋 子さん、作曲家の三枝成彰氏、原島博東大教授らが出 席。二十一世紀における新産業育成のキーワードなど について意見を表明した。 


次世代産業開拓へ30社参加し勉強会
日本経済新聞 1998年9/10(木)
文化人や学者、企業経営 者などが21世紀の産業を模索する勉強会「次世代 産業ナビゲーターズフォー ラム」が発足した。呼びか けたのは経営コンサルティ ングなどを手掛けるワイ・ ネットの宮内淑子社長。会員は日本電信電話(NTT)、キャノン、 デジキューブ、ソフト開発のインディゴ(東京、孫泰蔵社長)など大企業からベ ンチャー企業まで30社。

樋口広太郎アサヒビール会長、安西邦夫東京ガス社長ら4人の顧問と島田晴雄慶大教授、作曲家の三枝成彰氏、作家の桐島洋子氏ら 二十二人の委員が会員企業の経営者や幹部社員と定期 的に勉強会を開く。

文化人や専門家の知識、ノウハウを動員して次世代産業の芽を探るとともに、育成の仕方を話し合う。情 報通信、環境、福祉などの分野が主な対象。会員企業 は約50社にまで拡大する方針。


異質と出会う勉強会
日経産業新聞 1998年10/15日(木)  
中堅・ベンチャー企業の 間で勉強会開催が盛んだ が、有名経営者から経営の コツを学ぶものが多く、や やマンネリ気味。その反省 もあって、産業界の枠を超 えて各界の専門家を集め、 新しい刺激を求める動きが 出てきた。九月上旬に発足 した「次世代産業ナビゲー ターズフォーラム」がそう だ。

メンバーは日本電信電話 (NTT)、キャノン、アサヒビール、 デジキュープ など大企業や中堅・ベンチ ャー企業三十社と学者、文 化人二十二人。学者、文化 人には島晴雄慶大教授や 作家の桐島洋子氏、作曲家 の三枝成彰氏、医師で登山 家の今井通子氏ら著名人が 名を連ねる。

メンバーは日本電信電話 (NTT)、キャノン、アサヒビール、 デジキュープ など大企業や中堅・ベンチ ャー企業三十社と学者、文 化人二十二人。学者、文化 人には島晴雄慶大教授や 作家の桐島洋子氏、作曲家 の三枝成彰氏、医師で登山 家の今井通子氏ら著名人が 名を連ねる。

十月十三日に開かれた二 回目のフォーラムでは理化 学研究所・脳科学総合研究 センターの松本元ディレク ターが「大きな目標を掲げ ると脳の機能が活性化し、 想像力も高まる」と講演。 参加したソフト開発会社、 インデイゴ(東京)の孫泰 蔵社長は「経営者同士では 聞けない有意義な話だっ た」と偶足そうだった。

ベンチャー経営者向けの 勉強会は著名経営者やマー ケティング・経営管理の専 門家などを講師に招いてノ ウハウを学ぶ例が多い。こ れらの勉強会が役立ってい るのは事実だが、食傷感を 覚える経営者も少なくな い。新市場開拓が生命のベ ンチャー経営者にとって は、自分白身や同業者には ないものの考え方や感性に 触れることがビジネスの重 要なヒントになる。

「次世代ナビゲーターズ フォーラム」のメーンテー マは新庫業の模索。孫氏や 近藤氏らベンチャー経営者 が参加した狙いは、新しい 人脈の形成によって新鮮な 刺激を得ることにある。そ れが新産業の開拓にもつながる。 もちろん、大企業や各界の専門家 も異分野交流で新しい刺激を 得られるはずだ。参加者の人格的な成長 こそが勉強会の第一の目的であり、 効用であることを再確認すべきではなかろうか。

 

各界の才能、交流深化―実益追わず、視野広げる―
日経産業新聞 2002年6月10日(月)  

「日産自動車では最高経営責任者(CEO)と最高執行責任者(COO)で、どう役割を分担しているのですか」。インターネットを使った広告事業を展開するベンチャー企業、潟Iプト(東京・港)の鉢嶺登社長は矢継ぎ早に質問した。昨年三月、東京都内で開かれた「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」の一コマだ。質問の相手はゲスト講師として招かれた日産自動車の塙義一会長兼CEO(当時)。 鉢嶺氏は日産同様、経営と執行の分離を考えていた。「私がCEOに回る場合、COOが仕事をしやすい環境を作るのにはどうしたらよいか。塙さんの話は参考になった」(鉢嶺氏)という。

フォーラムには38の企業・団体が会員として参加している。大手企業ではアサヒビ、NTTドコモ、鹿島、東京ガスの現役役員が参加。ベンチャー企業では鉢嶺氏のほか、インターンシップ事業を手掛けるデジット(東京・渋谷)の舩川次郎社長らが名を連ねる。

大企業とベンチャーの橋渡しを担う会合か、というとそうではない。フォーラムを主催するY・NET(東京・渋谷)の宮内淑子社長は「事業のため意見交換する場でなく、会員同士の交流を通じ社会的な変革の波を起こしたかった」という。

NHKキャスターを経てコンサルティング会社を設立した宮内氏が旧知の文化人や経営者に呼び掛け、1998年9月に設立した。ご意見番に当たる顧問には東京ガスの安西邦夫会長ら4人が就任。専門分野の立場で助言する委員は作曲家の三枝成彰氏、コンサルタントの西川りゅうじん氏ら著名文化人・学者が努める。委員や会員は「各分野でしっかりした実績のある人を選んだ。会合で実益を求める人にはご遠慮願った」(宮内氏)という。

フォーラムは1月と8月を除き毎月開催する。前半の時間帯にゲスト講師が講演し、その後ディスカッションに移る。5月の会合では、「めったに講演を引き受けない」(宮内氏)という作家の森村誠一氏が演壇に立った。

「根が技術者なので、書店でも経営書や技術書に目が行ってしまう」と苦笑するのはアンリツの中川裕雄会長。宮内氏に誘われ初回から参加している。「電気通信業界以外の人と出会う機会はそんなにない。芸術家や異業種の学者の話が聞けるのが楽しみ」と話す。

2000年6月にはアンリツが毎年開催する品質管理の発表会に、講師としてフォーラムの委員を努める登山家の今井通子氏を招いた。フォーラムの休憩時間に喫煙コーナで、中川氏が今井氏と話をしたのがきっかけだ。「登山家なのにタバコを吸うなんて意外だった」(中川氏)。喫煙仲間で話が弾み、「登山家をまとめるリーダーの視点で社内で話してもらおうと思った」という。

事業に役立つ会員同士の連携もある。オプトが運営する不動産会社紹介サイト「イースマイ・ドットコム」上で2年前、一風変わった企画が始まった。「Lively Life」と題した著名人の住居を紹介するコーナーだ。鉢嶺社長と宮内氏が訪問先の人物を選び、写真家の桐島ローランド氏が撮影を担当した。登場したのは建築家の隈研吾氏や西川りゅうじん氏らフォーラムの委員。それまで面識のなかった文化人も、会員のよしみで了解を得ることができた。同コーナーはヤフーやライコスなど検索サイトがリンクを依頼する人気企画に育った。

アンリツの中川氏は「フォーラムの出会いでビジネスは期待していない。講師や委員の話を聞く『耳学問』が何よりも魅力」と語る。経営者の視野を広げることが次世代のビジネスを生む糧となっているかもしれない。

 


勉強会で新たな活力
日本経済新聞 2002年9月19日(木)

▽・・・「厳しい環境下で経営者向けの勉強会を長続きさせるには、運営にひと工夫もふた工夫も必要」。大企業からベンチャーまで約40社が参加する勉強会「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」を4年間主宰してきたコンサルタント会社、ワイ・ネット(東京)社長の宮内淑子さん(40)は強調する。

▽・・・「自分で会って、心に響く話ができると感じた人だけを講師に招いている」。著名な学者や専門家を委員に据えて討論に加わってもらうなど内容の質を高める試みもしている。「会員の皆さんに新しいエネルギーが生まれているようで、新事業も出始めている」と具体的な成果にも顔がほころぶ。

 

その場かぎりの仕事に限界を感じ、放送を離れ
"社会改革"プロデューサーに転身
インキュベーション 2002年12月号  

全国初の女性広報員が転機オピニオンリーダーに人脈
企業や行政に対するコンサルティングをはじめ、広報活動、マルチメディア戦略の提案、イベントプロデュース、講演、出版活動と、スーパーレディーとしかいいようのないほどの幅広い事業活動を行っているが、ワイ・ネット(東京・港区)の宮内淑子社長だ。  

宮内さんの肩書きは「コラボレーション・プロデューサー」。聞きとれないこの名称は、「コミュニケーションで情報を共有し、よりよい事業や政策提言を行なうことを目指す。そのウラのプロデューサー」ということだ。  

宮内さんは、日本を代表する政財界や文化、教育、マスコミ、さまざまな業界のオピニオンリーダーたちを一同に集めることができる稀有な人物なのだ。

こういった方たちに呼びかけ、92には次世代をリードするナビゲーター的な知識人たちの提言会「21世紀ナビゲーターズコミッティ」を組織。93年には様々な分野で活躍する若き文化人が情報を共有し行動する「コラボレーション21」、98年には経済人、文化人等が集う「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」などクローズドの情報交換会を企画、実施してきた実績を持つ。

大学卒業後、局アナを経て、TVキャスターや大学講師として活躍。そんな宮内さんの転身のきっかけは、89年に目にした「兵庫県が全国初の女性広報専門員を一名募集」という小さな新聞記事だった。「それまでやっていた放送の仕事は、その場かぎりで消えてしまう。そろそろ蓄積できるものがほしいと思っていたんです。」これが自分を活かせるチャンスと直感した宮内さんは方向転換を決意。応募者500人を超える激戦を勝ち抜いて、広報専門員に就く。

広報・オンブズマンなどの活動をしてみたものの「地方自治体も自分たちのエリアだけで問題を考えていては限界がある」と感じ、92年、情報が集中する東京に移り、会員制サロン「ひょうご倶楽部・東京」を拠点に活動を開始。これがさまざまな業界から注目を集めた。  さらに94年には、情報化社会の行方や社会に関する問題意識を共有するネットワークをさらに広げ、会社組織「ワイ・ネット」を設立。このころから、宮内さんあてに、さまざまな企業、行政からのコンサルティングの依頼が舞いこむようになる。  

阪神大震災のときには、「兵庫再生支援の会」を発足。都市再生への提言をはじめ募金やボランティアの組織づくりなどの活動を展開した。  

宮内社長は現在も数多くのコラボレーション組織を主宰している。「全て私はやりたいと思ったことをやっているだけ。私は一人でできることには限界がありますから、第一線の方のおチエを借りているんです。」  

それにしても、宮内さんはなぜ、これだけの人たちをオーガナイズできるのか。しかも、宮内さんが声をかける会合ならば、海外に出かけていた、各界トップの著名人が時間を割いてもどってくるというのだ。

理念に共鳴し人が集まる営利でないのが成功の秘訣
92年に「21世紀ナビゲーターズコミッティ」を立ち上げたとき、候補メンバーリストをみて周囲は全員「そんなことが実現できるわけがない」と断言した。しかし、宮内さんのやりたいという気持ちはおさまらない。一人を動かせば事態は変わるはず。そう考えシンポジウムで一度だけ面識のあった映画監督・篠田正浩氏にこの集いの意義を語った。さらに建築家・黒川憲章氏というように次々に賛同してくれる人が集まり、各界のオピニオンリーダーが一同に会する会合が定期的に開催されるようになった。  

宮内社長の集まりは、通常の会合ではありえない顔合わせに感動し、ゲストとして情報を提供。ディスカッションに参加してくれるスピーカーにも、超一流人がこぞって参加してくれるようになった。お金を払うから、こういう方々を紹介してほしい。口利きをやってほしいという依頼が殺到しているが、宮内さんは理念に共鳴しないものは、すべて断っている。「さまざまなコラボレーションを成功させてこられたのは、営利目的ではなかったからです」  

宮内社長は「10年後日本がこんな風になっていたらいいな」という理念をずっと語りつづけている。その理念に共鳴した人が、ワイ・ネットの会議室に集まってくるのだ。  

2000年6月、宮内社長は新たに新時代の情報環境創造のための会社、メディアスティックを設立。NECや松下電器産業、小学館などの大企業22社とコンソーシアム(企業連合)を結成。携帯電話を利用するインターネット連動型の新しい生活情報サービスを実現化し、近くサービスを開始する。  

このメディアスティックシステムとは、デジタルネットワーク社会の中で、生活者一人ひとりに「技術」を意識させないで、簡単にボールペンと手帳を使うような感覚の使用環境を提供することができるシステムだ、という。デジタル機器が苦手な人にもストレスを与えず、デジタルデバイドの解消にも役立つ画期的なものである。  

昨年夏、経済産業省、IPA(情報処理振興事業協会)の「先端的・戦略的ソフトウエア」の開発支援事業に選定され1億円を超える予算を獲得。今後は、業種間を越えた新しいビジネスモデルの構築をし、事業化へ向けて動きだす。宮内社長のこれまでの人脈、経験を最大に発揮したプロジェクトとなろう。                             

経営者向け勉強会・交流会の正しい使い方・活かし方
経営者会報  2003年5月号

 私が呼びかけて人を務めている「次世代産業ナビゲーターズフォーラム」では、二十一世紀の新しいビジネスのかたちをさぐる勉強会を年に10回ほど開催しています。毎回テーマを掲げ、企業経営から生命科学や芸術の分野まで、幅広いジャンルのトップを走っておられる方々を講師に招いて、セミナーや討論会を行っています。
 参加メンバーは、企業の経営トップの方を中心に、学者、ジャーナリスト、作家、建築家、作曲家など各界で活躍されている方々にも声をかけさせていただいています。この活動は、もともと私がマスコミや自治体の参与として携わってきた仕事を通じて、「新しい産業と社会や文化を考えていくために、企業や業種の垣根を越えた経営者同士の交流の必要性」を強く感じたことから始めたものです。幸い、多くの会員の方に支えられて、ことしで五年目を迎えることができました。

聞くだけではなく積極的に議論に参加する
こうした経営者や各界の第一人者を招いてのフォーラムを主宰してきた経験から、社外勉強会へ参加する際の心構えについて私なりに考えてみますと、「受身」の姿勢だけではダメ、ということに尽きると思います。

これは多くの勉強会で行われている一般的なスタイルだと思いますが、当フォーラムでも、講師の方にレクチャーをいていただいた後に、参加者を交えた質疑応答やディスカッションを行なう、という形式をとっています。

そうしたなかでいつも感心させられることは、どなたもご自分の専門分野以外のテーマに対しても、好奇心や興味を抱き、熱心に議論に参加されている、ということです。

皆さん、日頃、オフィスや業界のなかだけでは決して得られない幅広いジャンルやテーマの話題から、大いに知的な刺激を受けていらっしゃるのではないでしょうか。これは異業種の方が集まる勉強会の大きな魅力のひとつだといえると思います。

たとえば、免疫学の分野で有名な生命科学者・多田富雄先生をお招きしたときなどは、まったく畑違いの経営者から、「生命活動における免疫の働きを、企業の活動になぞらえて考えると、類似した部分が多いのではないでしょうか?」といったユニークな視点の質問が相次いで飛び出すなど、熱意に満ちたやりとりが交わされていました。

前述のように、当フォーラムの参加者はみな各界のエキスパートやトップランナーばかり。そういう一流の方々は、自分の不得手な、あるいはあまり興味のないテーマだからといって、ただ聞き手に甘んじているようなことはありません。むしろ専門外のテーマこそ楽しんでおられる様子が見受けられます。そうした参加者の態度や考え方は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

参加者を厳選し”質”を保った会を選ぶ
当フォーラムでは、なにより参加されるメンバー相互の信頼関係を大事にしていきたいと考えています。そのため、基本的にどなたでも参加できるわけではありません。

著名な経営者や文化人の方々がメンバーにおられるせいか、ときどきメディアにとりあげられることがあると、「是非、フォーラムに参加させて欲しい」「入会する条件は?入会金はいくら?」といったお問い合わせをいただくことがあります。

そういうときはまず、その参加志望者のプロフィールを送っていただき、そして直接お会いして、当フォーラムの趣旨や理念を正しく理解して賛同していただけるかどうか、また現在のメンバーの方々と上手にコミュニケーションをとれていけそうか、を考慮させていただくことにしています。

単に「得たい情報だけをもっていきたい」「商売の種をなんでもいいからつかみたい」「有名経営者と知り合って、あわよくばビジネスチャンスにしたい」というような目的で参加しようという方には、申し訳ありませんが、お引き取りを願っているのです。

というのは、私どものような勉強会では、「自分にとって有益な情報だけをもって帰り、自分からは何も発しようとしない」人が参加してしまうと、その人はよくても、ほかの参加者には何も有益なことがもたらされなくなってしまいます。

それでは、会自体の"質"の低下につながり、ひいては心ある方も会から足が遠のいてしまうでしょう。そういうことになっては困りますから、参加されるメンバーを厳選させていただいているのです。これが、会を主宰する者としてもっとも大事な仕事ではないかとさえ考えています。 

これは、なにも当フォーラムに限ったことではないはずです。ある程度メンバーが固定した勉強会・交流会を維持し、継続的に運営をしていくうえで、もっとも大切なのは、メンバーを厳選することなのです。その前提がないと、メンバーが安心して会に参加して、相互に信頼関係を築いていくことができなくなるからです。

信頼によるつながりが人や情報の出会いを生む
ですから、これから社外の勉強会などに参加される際には、まず主宰者がしっかりしているかどうかを見極めることが何より大切です。連絡先やこれまでの活動についての情報がきちんとオープンにされていることはもちろんです。すでに参加されている方から直接お話を聞くことができればなおよいでしょう。その意味で安心できるのは、親しくて信頼できる経営者仲間から会を紹介してもらう方法ではないでしょうか。

逆に誰でもオープンに門戸を開いているような会では、知りたい情報を得るだけならよいですが、参加者同士で互いに意見を闘わせるような密度の濃いコミュニケーションを求めるのは難しいと思います。継続的に充実した活動を行なっている勉強会であれば、むやみやたらに参加者を増やそうとして声をかけるということはないのではないでしょうか。

自己研鑚にはげみたい経営者の方には、ぜひご自分ですばらしい勉強会を見つけて、積極的に関わっていただきたいと思います。